ソチ五輪銀メダルの平野歩夢(19=木下グループ)が97・75点で、9日の第2戦に続くW杯連覇を飾った。1回目で95・50点でトップに立つと、2回目、4回転の大技を難なく決めるなど97・75点をマークした。4回転の連続技にチャレンジした3回目はバランスを崩し、転倒したが、W杯通算3勝目を挙げた。

 米国勢ら強豪不在の大会とはいえ、高さ、完成度、技の難易度とも、世界トップクラスの演技を披露。3月には左膝の靱帯(じんたい)を損傷したが「練習が今になって結果に表れている。いい段階を踏んでいる」と、けが前より好感触をかみしめた。

 ハプニングに見舞われても、強さは揺るぎなかった。米国のプロ大会に参戦後、移動した中国では交通規制にひっかかるアクシデントがあった。会場入りは、予選前日の公式練習の2時間半前という強行軍。公式練習も悪天候で思うように滑れない環境だったが、19日の予選、この日の決勝と力を出し切った。

 五輪出場枠はW杯の結果で振り分けられるため、この日の日本勢の表彰台独占で、男子の4枠は「9割方手中にした」と治部コーチ。平昌(ピョンチャン)五輪での金メダル獲得に期待が膨らんだ。【上田悠太】