柔道の17年世界選手権66キロ級金メダリストの阿部一二三(20=日体大2年)が8日、故郷の神戸市で成人式に出席した。報道陣のリクエストに応じ、色紙に今年の誓いを「進化」と書き込んだ。「昨年は飛躍できた。今年はさらに」と理由を説明した。

 大目標を、20年東京大会からの五輪4連覇に置く。憧れの野村忠宏氏をしのぐ偉業を狙うには、もっと力をつける必要がある。「昨年は“負けなし”でいけた。今年も“負けなし”で、世界選手権はオール一本勝ちで圧倒的に連覇をしたいです」。10日には欧州へ出発。オーストリアとドイツで約3週間、初体験の海外単身武者修行を行う。「不安もあるけど、楽しみが大きい。海外の強豪と稽古して情報も集めたい。柔道以外でも、その国の文化に触れたいです」と意欲的だ。

 正月は地元で友人と多くの時間を過ごし、リフレッシュした。この日はオーダーメードの新調スーツで現れた。「遠征はおとなしめのものが多いから、こういう(めでたい)時用にと思って」。チェックのワインカラーにハンカチ、靴下も同色でコーディネート。スーツの裏地はわざわざ派手にした。「こんなことするヤツ、いませんよね」とスーツをめくり、いたずらっぽく笑って見せる姿に、大物感が漂った。