Bリーグ2部(B2)東地区の仙台89ERSが、生まれ変わる。8日、仙台市内で高岡大輔ヘッドコーチ(HC、36)の就任会見を開いた。今季でアシスタントコーチ(AC)2年目だったが、成績不振による後藤敏博HC(51)の解任を受け、就任。現役時代5季所属したチームの再建へ向け、ディフェンス強化を掲げた。今週中にも、評価した新外国人選手が来日予定。チームを一新し、プレーオフ進出を目指す。

 会見冒頭、高岡HCは立ち上がった。192センチの大男は、決意に満ちた表情であいさつを終えると着席し、語り始めた。「仙台に必要なのは、強くディフェンスをすること。皆さんが見てもはっきりと分かるようなディフェンス力があるチームにしたい」。昨年末の青森ワッツ戦後に要請を受けた。13勝15敗で東地区4位と、B1昇格とプレーオフ進出は厳しい状況だが、再建する手応えはあった。

 違和感を抱いていた。チームは11月の山形ワイヴァンズ戦2連敗後、「60点台に抑えるバスケ」から「100点を取るバスケ」へ、攻撃重視に方針転換した。長所を伸ばすための決断だったと前置きした上で「もどかしい気持ちはあった。シュートは入る日と入らない日がどうしてもある。不安定な中で勝つアベレージを上げるには、ディフェンス力を持つことが大事だ」と力説した。

 女子Wリーグで指導していた前任者の指導方法からの脱却も明言した。後藤氏の指導は「時間の費やし方が生産的ではなかった」と主張。「男女は性格も違う。女子は長いスパンでもいいかもしれないが、男子はよりコンパクトに的確に伝えた方がいい」と持論を展開した。年始は、6日のミーティングで狙いがシンプルに選手に伝わるように、使用する動画の編集に没頭。「78点という失点アベレージを68点まで下げたい」と明確に伝え、イメージの共有を図った。

 坂本ジェイの解除や外国人選手の退団が発表された中、新外国人選手の獲得に動いている。高岡HCは「私の意見も反映されている。バランスを重視した」と、新戦力にも期待を寄せた。【秋吉裕介】