世界44位の大坂なおみ(20=日清食品)が金星で4強入りだ。16年全米準優勝で同5位のカロリナ・プリスコバ(チェコ)に6-2、6-3のストレート勝ち。トップ5から2度目の金星を挙げ、準決勝では同1位のハレプ(ルーマニア)と対戦する。大会は4大大会に次ぐクラス。09年に女子テニスツアーが現行のクラス分けになって以来、日本女子がこのクラスで4強に入るのは初めて。

 大坂が世界5位を力でねじ伏せた。16年に全米準優勝、昨年世界1位になったKa・プリスコバに完全に打ち勝った。最後は自慢のフォアでリターンエースを決め、「本当にいい気分。決勝に進んで優勝したい」と、早くも優勝宣言だ。

 第1セットの第1ゲームで、早々と相手のサービスゲームを破った。1度も自分のサービスゲームを落とさず6-2と先取。第2セットは最初からブレーク合戦となった。しかし、2-3から4ゲーム連取で抜け出した。「ここまで来られてハッピー!」。

 相手とは昨年8月のロジャーズ杯3回戦で対戦し、最終セットの第1ゲームで腹筋を痛め棄権した。しかし、セットを奪ったいいイメージが残っており、戦い方も分析済みだった。

 オフシーズンの昨年末に新たに就任したベージン・コーチと、1日平均4時間、体力トレーニングを行った。約7キロも痩せ、体が締まった。昨年までは左右に振られると体幹がぶれ、イチかバチかのショットでミスの山を築いた。しかし、この日はどんなに振られても崩れるどころか、逆にカウンターでポイントを奪った。

 優勝まで残り2戦。次戦は、世界1位のハレプが立ちはだかる。過去3戦全敗で、1月の全豪4回戦ではストレートで敗れた。それでも今大会で得た自信は大きい。「圭に続きたい」とツアー初優勝で、錦織のように日本女子のヒロインになることを誓った。

 ◆女子テニスツアー大会クラス分け ツアー最終戦のWTAファイナルを除き、賞金額や伝統などで5段階に分かれる。4大大会が頂点で、今大会はそれに次ぐプレミア・マンダトリー(義務の意味)に分類される。選手は出場の義務を負う。このクラス分けは09年に始まり、以前はティア(階段の意味)という名称で1~5までに分かれていた。今大会は以前のティア1に相当し、その中でも格上。日本女子がティア1のクラスで4強入りしたのは、05年アキュラ・クラシックで杉山愛が準優勝して以来13年ぶり。