卓球女子日本代表の平野美宇(17)が30日、都内で会見を開き、プロ転向を宣言した。

 有望な中高生を寄宿制で育成する日本オリンピック委員会(JOC)エリートアカデミーを修了し、4月からプロ活動を開始する。4月から高校3年で、あと1年在籍できたが、20年東京五輪金メダル獲得に向け、安定を捨て、自ら厳しい道程を選択した。

 会見の冒頭では、エリートアカデミーの修了証も贈られた。平野は「これからわたしの目標である東京五輪金メダルへ、どうしようかと考えたとき、人間としても強い人間にならないといけない。このタイミングで(プロ転向を)決断した」と理由を述べた。

 昨年後半の「停滞」がプロ転向を決断させた。16年リオ五輪は補欠も、その悔しさをぶつけるように、直後のW杯で史上最年少優勝。翌17年1月の全日本選手権も初制覇した。続く4月のアジア選手権で、当時世界ランク1位でリオ五輪2冠の丁寧、同2位の朱雨玲、同5位の陳夢に3連勝して初優勝。6月の世界選手権女子シングルスで銅メダルも獲得。大旋風を巻き起こした。だが、以来、卓球王国から徹底マークされ、中国勢には苦戦が続いた。

 その頃からプロ転向が頭をよぎる。エリートアカデミーは消灯時間が23時と決まっていたり、講話などの授業もある。プロになって卓球だけに専念することを考え始めた。1月の全日本選手権女子シングルス決勝では、同学年のライバル伊藤美誠(17=スターツ)に1-4と完敗し、連覇を逃す。本人の中で「変わらなきゃ」との思いも募り、プロ転向を決めた。

 かつては好感度は気にせず「嫌われても勝てばいい」と公言していたが、プロ転向することで「炎上はほどほどにしていきます」と笑みを浮かべた。続けて「責任、言い訳もできない。全部が自分の責任。逆に自分を追い込める」とプロ転向の意義を強調した。所属はメーンスポンサーの日本生命になる。