激戦の女子52キロ級は17年世界選手権銀メダルの角田夏実(25)が決勝で世界女王の志々目愛(24=ともに了徳寺学園職)を下し、初優勝した。9月の世界選手権(アゼルバイジャン)代表の2枠目での選出に可能性を残した。

 「寝技職人」が魅了した。昨年の世界選手権決勝の再現となる志々目との対戦。延長46秒、角田はともえ投げで技ありを奪い、勝負を決めた。「ここで優勝しないと先はないと思った。リベンジできて良かった」。

 世界選手権は右足甲を剥離骨折しながら強行出場。大会後は治療に専念し、昨年12月のグランドスラム・東京大会などの国際大会では表彰台に立てず不調が続いた。3月にはぎっくり腰になり「吹っ切れた」。得意の寝技に引きずり込むためにともえ投げを強化。タイミングと感覚を大切に緩急のある技を編み出した。

 東京学芸大時代からけがに悩み、ケーキ職人の道も視野に入れ、引退も考えた。今大会に優勝したことで、世界選手権代表の2番手(22日発表)での選出に可能性を残した。「今は柔道が好き。次こそ金メダルを取りにいきたい」と代表入りへ意欲を燃やした。