日本代表の乾友紀子(27)中牧佳南(25=ともに井村ASク)組が、デュエットTRで91・0427点を出して優勝した。20年東京オリンピック(五輪)を視野に入れた新ルーティン「NINJA WOMEN KUNOICHI」を国内初披露。女忍者をアピールした。

 シャープな動きを、琴や笛の音色に乗せた。2人の「くノ一」が、プールで躍動した。手裏剣を投げて敵から身を隠す。フィニッシュは両手で印(いん)を結び、水中に沈んで、消えた。いわゆる「ドロン」。水面に顔を出して終える演技が大半を占めるだけに、中牧は「最後のポーズは、普通と違うので好きです」。

 新ルーティンは東京五輪を見据え、世界に分かりやすい「日本」を選択。ジャッジの評価次第で来季以降の継続もある。2人は両手で印を結ぶ際、1本指か2本指かを写真などで研究。さらに三重・伊勢市のテーマパーク「安土桃山城下街」も訪問。「大忍者劇場」で忍者アクションが見られるが、基本的にレジャー施設のため「特に参考になるものはなかったかも…」と乾。それでも試行錯誤して忍者になりきる覚悟だ。

 井村ヘッドコーチは「練習よりはましだった。でも中牧は(演技に)探りがある。思い切りが悪い」と指摘。乾の相棒の入れ替えについても「あります。頭にきてますから。中牧は練習での挑戦心が足りない。自分を変える勇気がない」。中牧は「この演技を練習からしないといけない」と反省していた。【益田一弘】