女子ダブルスは上地結衣(24=エイベックス)がジュリア・カポッチ(26=イタリア)とのペアで、アニク・ファンクート(27=オランダ)ルーシー・シューカー(37=英国)組を1-6、6-2、6-2の逆転で下して優勝を飾った。

 「男子のボールが飛んできたりして流れをつかむのが難しかった。ジュリアのサポートがあったから勝てました。彼女にありがとうと言いたい」。上地は試合後の会見で、今大会で急きょペアを組んだカポッチに感謝の言葉を贈った。試合直前に突然降り出した大粒の雨でコートはインドアに変更。となりのコートで男子決勝が同時進行する難しい状況の中、第1セットは圧倒されて失った。そこから「一気に走られたので、ペースを変えました」。

 第2セット以降は相手ペアの速い仕掛けに合わせず、ラリーをつないで確実にポイントを積み重ねる戦術に変更。上地が正確なショットで崩し、勝負どことでカポッチが持ち味の強打をたたき込み、逆にワンサイドの展開に持ち込んだ。

 上地は今大会、別の選手とのペアを予定していたが、その選手が突然出場をキャンセル。ダブルスは断念するつもりだったが、カポッチの申し出もあってペアを結成した。16年に1度対戦しただけで、組んだのも1度だけの“未知の選手”でも、試合ごとにコンビネーションは高まった。「私の方がユイに感謝している。スーパーシリーズで勝てたのは初めてだし、彼女とプレーすると安心できる」とカポッチも笑顔で上地に視線を送った。

 上地はシングルス準々決勝でカポッチとの2年ぶり2度目の対戦も制したが、現在世界11位のパートナーを「近いうちに世界のトップ8に入ってくる選手」と評価する。4大大会での対戦も想定しながら「いいライバルとして戦っていきたいし、(ダブルスを)一緒に戦うこともあると思います」。世界1位の上地が、優勝とともに新たなライバルとパートナーも手に入れた。【小堀泰男】