アメリカンフットボールの関学大と日大の定期戦で、相手選手の悪質タックルで2年生QBが負傷した問題で、関学大は26日、来年度以降の定期戦を「選手の安心・安全を担保することができない」として、中止することを表明した。

 この日、兵庫県西宮市内の同大学で3度目の記者会見を開き、鳥内秀晃監督(59)は「(日大との)信頼関係が崩壊したことは変わりない」。小野宏ディレクターは「真相を究明して、二度とこのようなことが起こらないと確信できることが大切」と説明した。

 一連の問題は、6日に都内で行われた定期戦が発端だった。パスを投げて無防備だった関学大QBが、背後から日大の宮川泰介選手(3年)のタックルを受けて負傷退場。関学大は一連の反則行為に対するチームとしての見解や経緯の説明を求めて、10日付で日大に抗議文を送った。その際に、回答が誠意ある内容でない場合は、来年度以降の定期戦を打ち切る意向を示していた。

 日大からは15日夜に1度目の回答書が届いたが、内容が不十分。17日に行われた関学大の2度目の記者会見では、小野ディレクターが「24日の(追加の)回答をもって判断します」と定期戦について保留の方針を明かしていた。日大からの追加の回答は24日に届き、この日の3度目の記者会見に至っていた。

 17年12月の甲子園ボウルで学生日本一を争った両大学の定期戦は、本年度で51回目という歴史があった。関学大は「十分な信頼関係を取り戻すまで」と前置きしものの、東西のライバル校による春の風物詩が、皮肉な形で幕を下ろす形になりそうだ。