世界ランキング11位の日本が同12位のジョージアに28-0で快勝し、6月のテストマッチ3連戦を2勝1敗で終えた。前半を3PGの9-0で折り返すと、後半にロックのファンデルバルトらが3トライを奪い、突き放した。守っても世界屈指のスクラムを誇るジョージアを完封し、19年ワールドカップ(W杯)日本大会に向け成長を示した。

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 勝因はフィジカルの強さを武器にするジョージアに対し、FW戦で互角に戦えたこと。もしフィジカルバトルで負けていれば、さらにそこを突かれたはずだ。勝てないとみた相手が展開して、ミスで自滅した。

 ボールロストは日本の9回に対し、ジョージアは18回。雨の影響もあったが、数字以上にエラーの数は多かった。日本は、あと2、3トライはとれた。強豪国は別だが、欧州の中堅国に勝つにはフィジカル勝負を避けること。ジョージア戦は、来年のW杯で対戦するロシア戦でも生きる。

 テストマッチ3連戦を通じて、試合をコントロールできる時間は増えた。課題は、レフェリーも含めてゲームへの対応力。W杯に向けてもっと戦い方をシミュレーションしながら、準備を進めることが重要だ。

 W杯まで1年3カ月、これからは戦略を練ることが必要になる。キックを使うのはいいが、ボールを持つ時間がなければ勝てない。どの時間帯でボールを持つかを決めるのも戦略。持った方がいい相手もいれば、持たない方がいい相手もいる。まずは、相手の分析から始めないといけない。

 11月のテストマッチも、W杯への準備。大会が近いだけに、情報戦もカギになる。どこまで隠すのか、何を見せるのか。(コーチとして参加した)15年W杯前の準備試合は、戦術を絞って戦った。本番から逆算してどう戦うか、これもテストマッチでは重要になる。(サントリー監督)