世界28位の錦織圭(28=日清食品)が、10回目のウィンブルドン挑戦で、自身初のベスト8に進出し、「ラスト8クラブ」の資格を得た。4大大会では、シングルスでベスト8に入ると、その大会で、将来にわたって優遇される資格がある。その中でも、最も歴史があるのがウィンブルドンの「ラスト8クラブ」だ。

 86年に第100回大会を記念して創設され、シングルスはベスト8、ダブルスはベスト4、混合は決勝に進んだ選手に、会員となる資格が与えられる。シングルスでベスト8、ダブルスで優勝などで会員の1人である杉山愛さんによると、「自分と、同伴のもう1人、2枚のチケットが毎年、送られてくる」のだそうだ。会場では、クラブ員だけが入れる専用のレストランがある。

 主催のオールイングランド・テニスクラブによると、日本人の会員は、現在、女子5人、男子1人のわずか6人。最も古いのは、75年に女子ダブルスで優勝した沢松(現姓吉田)和子さんだ。それ以外の女子は、伊達公子、杉山愛、青山修子、二宮真琴。男子では、95年に男子シングルスでベスト8に進んだ松岡修造さん、ただ1人だ。そこに、今年、錦織圭が加わることになる。

 現在の会員は648人。その内、17年には202人が、大会期間中に参加したという。