日本体操協会は10日、都内で臨時理事会を開き、塚原光男副会長(70)と塚原千恵子女子強化本部長(71)の職務一時停止を決めた。2人の宮川紗江選手(19)へのパワハラ問題に関する第三者委員会(岩井重一委員長)の調査結果が、10月25日の世界選手権(ドーハ)開幕に間に合わないため、塚原本部長は同選手権で指揮を執らない。

塚原夫妻が宮川の主張の一部を否定した。同選手は20年東京オリンピック(五輪)強化プロジェクト参加を当初拒んだことで「五輪に出られなくなる」などと圧力をかけられたと主張しているが、千恵子氏は「もっと頑張らないと五輪のチームに入れないという意味で、(プロジェクトに)入ってもらおうと思ってやっていた」と語った。朝日生命への引き抜き疑惑に関しては、1回目は朝日生命のコーチが速見コーチから「練習環境が良くない」と相談を受けたことがきっかけだったと主張した。残りは、朝日生命の体育館も使用する強化プロジェクトに誘ったもので、入部を勧めたものではないとした。塚原夫妻は第三者委の調査結果によっては進退を検討する考えも改めて示した。