フェラーリのキミ・ライコネンがトップタイム1分38秒699を記録した。昨年セバスチャン・フェテルが記録した従来のコースレコード1分39秒491を0・8秒も更新した。

シンガポールGP直前に今季限りでフェラーリを離れ、フェラーリ系の中堅チームであるザウバーへ移籍することを発表したライコネンだが、前戦イタリアGPのポールポジション獲得に続きここでも好走を見せた。

一方、僚友セバスチャン・フェテルは午後のセッションでウォールにヒットしてわずか12周で走行を切り上げるなど、チーム全体として予定していたテストプログラムに影響を及ぼした。

メルセデスAMGは柔らかいタイヤの扱いを苦手としており、最も柔らかいハイパーソフトが投入されるシンガポールでも苦戦が予想された。しかしルイス・ハミルトンが0・011秒差の2番手に付けるなど、弱点克服が進みつつあることを証明してみせた。

非力なルノー製パワーユニットを積むレッドブルは通常のサーキットではメルセデスAMGやフェラーリに対して苦戦を強いられるが、パワー差のハンディが小さくなる低速サーキットでは車体性能の良さを遺憾なく発揮する。シンガポールGPのフリー走行でもマックス・フェルスタッペンが0・522秒差の3位、ダニエル・リカルドが0・610秒差の4位に付けている。

トロロッソ・ホンダはマシンパッケージが合っているはずのシンガポールで上位争いを期していたが、初日は持ち込んできた初期セットアップが外れマシン挙動が定まらず17位、18位と低迷を強いられた。ピエール・ガスリーは「コーナーごとにマシンバランスが違い挙動の予測が難しく、タイヤからグリップを引き出すことができなかった」と語る。チームは金曜のデータを元に夜の間にセットアップを見直し、土曜に向けて修正を図るつもりだ。(米家峰起通信員)