初代王者の日本が「チーム力」で2連覇を達成した。決勝は強豪のフランスに4-1で快勝し、柔道発祥国としての意地を見せた。

最後は、団体戦男子90キロ級の向翔一郎(22=ALSOK)が勝負を決めた。額に包帯を巻き、気合の入った表情で相手を圧倒。組み手争いで優位に立ち、最後は裏投げで撃破した。出場する試合は「絶対に勝つ」と豪語していたが、3回戦のアゼルバイジャン戦で1敗。試合後、「ここで負けたら日本に帰れないと思った。これで何とか帰国できます」とちゃめっ気たっぷりに振り返った。

畳の上以外のチーム力も抜群だった。3回戦では向の次が女子78キロ超級覇者の朝比奈沙羅(21=パーク24)で、勝ちきった。朝比奈が「翔一郎に何かおごってもらおう」と言うと、向は「沙羅ちゃんには感謝しています。ただ、僕は(1歳)年上!」と突っ込んで周囲の笑いを誘った。柔道は日々、男女別で稽古を行うためコミュニケーションが少ない。しかし、この凸凹関係からも「男女の壁」がないことが垣間見られた。

団体戦含め金メダル8個と日本柔道の強さを証明した。2年後の本番に向けて、改めて発祥国の誇りと層の厚さを示した。