バドミントンの中国オープンと韓国オープンで2週連続優勝を飾った女子ダブルス世界ランク2位の高橋礼華(28)、松友美佐紀(26=日本ユニシス)組が1日、羽田空港に帰国した。

殻を破った遠征だった。高橋は「(韓国オープン)準々決勝から世界選手権でメダルをとった3組に勝てて、自信になった」と収穫を語った。韓国オープン準々決勝では世界選手権金の永原、松本組(北都銀行)、準決勝では同銅メダルの米元、田中組(北都銀行)、決勝では同銀メダルで世界ランク1位の福島、広田組(岐阜トリッキーパンダース)をストレートで下した。優勝より、ライバルである日本ペアを倒したことに意味があった。

16年リオデジャネイロ五輪で日本勢初の金メダリストとなり、20年東京での五輪2連覇を目標に掲げる。しかし、ここ最近、特に日本ペア相手に力を出せずに負ける場面が多くみられるようになった。「今までは日本人だから負けたくない、とか試合に必要のない、余計な感情がずっとあった」と松友。だが、8月の世界選手権準々決勝で永原、松本組に敗れ、心に変化があった。「相手が日本人だろうが、海外の選手だろうが、自分たちのできるプレー、やることは自分たちでしかない」(松友)。開き直った。9月のジャパン・オープンで初戦敗退し、悔しさを味わったこともプラスになった。「日本人ではなく、世界選手権のメダリストと戦う」(高橋)と気持ちを高ぶらせ、日本人対決を次々と制した。

東京五輪に出場できる日本女子ペアは最大2組。現在来年5月から1年間のポイントレースは厳しい戦いが予想される。高橋は「楽しめはしないと思うが、そこを楽しむぐらいの気持ちで」。松友は「こういう風になりたい、というイメージの半分もできていない。レースまでに半分ぐらいの状態には持っていきたい」と前を向いた。