平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)銀メダリストの宇野昌磨(20=トヨタ自動車)が、国際スケート連盟(ISU)非公式ながら世界1位の186・69点をマークし、1位で日本の2年ぶりの優勝をけん引した。チーム4人中唯一、競技を引退している織田信成(31)も176・95点で2位と躍動。女子は、平昌五輪6位の坂本花織(18=シスメックス)が130・28点で2位、同4位の宮原知子(20=関大)が127・99点で3位だった。

普段は自分の順位や点数に執着しない宇野が、チームのために力を出し切った。フリー冒頭で4回転サルコー、同フリップを失敗もその後は4回転トーループや連続ジャンプを次々と成功。後半になっても動きのキレは衰えず、「月光」の曲に合わせ最後まで静かに悠々と滑りきると、満足そうにうなずいた。

昨年大会ではミスを連発し、男子6人中3位。日本の3連覇を逃す結果を「間違いなく自分のせい」と振り返る。9月の今季初戦ロンバルディア杯後は、約2週間は1年前のリベンジのため、フリーを重点的に練習してきた。5年前に引退した先輩織田が自分の前に176・95点と高得点をマークしたことも刺激となった。「織田君より低い点だと立場がない…」と気を引き締め、得点で上回り、現役のプライドを守った。

ISU非公認ながら、現段階でフリー世界1位の記録をマークした。4回転2本の失敗分を含めると、まだまだ伸びしろはある。「今季の大きな目標はない。1つでも多く自分がいいと思える演技がしたい」。五輪銀メダリストの成長はまだまだ続く。【高場泉穂】