日本オリンピック委員会(JOC)が10日、都内で五輪・パラリンピック強化指定選手と指導者向けの講話「覚悟」を開催した。講師役として、アーティスティックスイミング(AS)日本代表の井村雅代ヘッドコーチ(HC、68)が登場した。

シックな黒のスーツ姿で登壇した井村HCは、冒頭から“井村イズム”をさく裂させた。国際水連の決定により、昨年から競技名が長く親しまれたシンクロナイズドスイミングからアーティスティックスイミングに変更になった。日本水連も競技会の名前を変更し、全国各地のクラブからも「シンクロ」を「AS」に変更している。しかし井村HCは「アーティスティックスイミングは代表チームで使っていません。言いにくいし、選手に(言葉を)かむと伝わらない。(講話は)シンクロで通させていただきます」ときっぱり宣言した。

「メダル請負人」は「私は五輪に9回出ていますが、残念ながら金メダルはない。9回も出るつもりはなかったんですが、私の中でやり残しがあるから。金メダルをとっていれば、辞めていたと思う。負けて悔しい思いをすることは捨てたものじゃない。エネルギーになる」と、未来のオリンピアンたちに訴えかけた。