女子の開志国際が創部の14年以来負けなしの伝統を守ってV5を達成した。決勝は新潟清心女に92-68で大勝した。1年生のSF松山玲奈が3点シュート3本を含むチーム最多の22得点を挙げ、新エースの1人に名乗りを上げた。男子の開志国際も決勝で帝京長岡に75-54で勝って2連覇。2年連続3度目のアベック優勝となった。男女上位3校は25日から開かれる北信越大会(福井県営体育館)に出場する。

アウトサイドから、インサイドから、SF松山がシュートを決めた。3本の3点シュートを迷いなく放り込めば、インサイドでファウルに見舞われながらチーム66点目のタフショットを決める。伊藤翔太監督(30)は「パスしてミスして帰ってくるな。得点を取ることに、貪欲になれ」と松山には厳命していた。そんな指示に応えて、チーム最多の22得点を積み上げた。

「今まではノーマークのシュートを打つのも自信がなかった」と松山は言う。しかし1人の選手の記事を読み心構えが変わった。13日全日本選手権決勝。B1千葉のPG富樫勇樹(25=富樫英樹総監督の長男)が栃木戦、残り2・6秒に3点シュートを決める劇的な逆転勝利で3連覇した記事だった。「“空いていたからシュートを打った”というコメントがあった。自分も強くならないと変わらないと思った」。強い心でコートに立ち、縦横無尽にシュートを打った。

もっとも松山は日本のホープだ。村上中校教の中学3年時にはU-15の強化選手として最終合宿まで残った。中2から時折、開志国際の練習参加。当時のSG中島彩衣(現立大2年)からもらった「シュートは入ると思って打つ。打たなければ入らない」というアドバイスも決勝のコートで思い出していた。

伊藤監督は「エースがSG山口里奈(2年=U-17日本代表)1人だけでは全国で戦えない」と第2のポイントゲッターを作るために、昨年12月のウインターカップ後から松山を先発で起用してきた。V5を決めた決勝で期待に十分、その応えた。「ボールをもらった時は責任を持たなければいけない。しっかりシュートを決めること」。1年生ながら、松山には主力としての自覚が出てきた。【涌井幹雄】