各分野のエキスパートが集まった北見工大がプレーオフ進出に望みをつないだ。第1試合はコンサドーレに2-6で敗れたが、第2試合は京都CAを9-1で下し通算成績を4勝3敗とした。大学院で氷の物性を研究するスキップ鹿野大貴(23)は「コンサには負けたが調子は良かった。(2戦目は)戦えると確認して臨めた」と振り返った。

最強の初心者集団だ。チーム5人でサード石田塁(23)以外の4人は大学から競技を始めた。部員63人から「一番上に行ける」(鹿野)と選ばれた5人の経歴は異色だ。研ぎ澄まされたショットを見せるセカンド木下航希(22)はアーチェリーで総体出場。スイープが武器のリード高田渓作(23)は高校時代は重量挙げに打ち込んだ。残る2人も野球で活躍。他分野で培った個性がチームの強さだ。

学業優先で夜間練習に人が集まらないときは朝練で補った。遠征費を稼ぐためアルバイトで資金調達。鹿野や高田はサロマ湖で漁の手伝い。肉体労働を体作りにつなげた。3人の4年生は2人が就職、1人が進学。今大会を最後にチームは解散する。「最初で最後の全国。行けるところまで行きたい」と鹿野。長い長い冬にしたい。【浅水友輝】