B1リーグ中地区首位の新潟アルビレックスBBは、ホーム名古屋D戦(3月2、3日)を控えた27日、長岡市の中之島体育館で練習した。特別指定選手のPF高橋浩平(22=青学大4年)が、ホームデビュー戦を熱望した。前節のアウェー北海道戦でB1リーグデビュー。十日町市出身で198センチのビッグマンは、地元コートの出場機会を狙っていた。

198センチの長身ながら、高橋のシュートタッチは柔らかい。ビッグマン5人で繰り広げた通常練習後の自主練習だった。庄司和広監督(44)のパスを受けて、左コーナーの3ポイントライン後方から放ったシュートは、3連続でリングに決まった。「ホーム戦に出て、地元の方々に見てもらいたい」。名古屋D戦には家族、知人が応援に駆けつける。

9、10日に開かれた前節のアウェー北海道2連戦でB1デビューを果たした。2試合通算の出場時間は2分24秒間。少ない時間だったが、内容の濃い時間を経験した。「9日の試合(出場26秒間)は守備機会が1度だけだった。それでも、1回のディフェンス、1回のオフェンスで吸収することは多かった」。高橋は貴重な体験を積んだ。

もっとも、そう簡単に出場機会は巡ってこないと、高橋は覚悟していた。「北海道戦は先輩たちが点差を広げてくれたから、庄司監督が出してくれた。感謝している」と言う。特別指定選手として新潟に加入したのは1月25日で、在籍はまだ約1カ月。守備の細かい約束事についていくのに精いっぱいだ。27日の練習前にも、青木勇人アソシエイト・コーチ(45)からピックアンドロールを守る位置をボードで示されながら指示を受けた。「チームの力になる実力はまだない。質の高い新潟のディフェンスの土台に立つことがまず、必要になる」。

それでも、ホーム名古屋D戦に向けた準備は怠りない。「チームに貢献するために、どんなプレーをしなければならないのか。ディフェンスをフォーカスしてやっていきたい」と言う。庄司監督は「これからの選手。時間をかけて育てていきたい」と話したが、集中を切らさずに高橋はコートに立つ瞬間をベンチでじっと待つ。【涌井幹雄】

◆高橋浩平(たかはし・こうへい)1996年(平8)5月20日、新潟県十日町市生まれ。川西中-十日町高。ポジションはPF。背番号10。バスケットを始めたのは中学からだが、中2で都道府県対抗ジュニアバスケット大会の県選抜メンバー(東日本大震災のため大会は中止)。高校時代はU-18日本代表候補。17年のウイリアム・ジョーンズ杯代表。198センチ、103キロ。