高校バスケットボール国内主要大会33冠などで能代工(秋田)を強豪に導いた故加藤広志氏(享年80)の死去から1年がたった。

一周忌を迎えた4日、能代市議会では斉藤滋宣市長(66)が豊富な資料や展示物を誇る「能代バスケミュージアム」の新装移転の検討を明言。現在は能代市内で追悼展(10日まで)も開催しており、加藤氏の競技普及の遺志は、今後も波及していきそうだ。

全国のバスケファンよ、「バスケの町・能代」に集まれ~。加藤氏の一周忌に合わせるかのように、歴史の拠点がリニューアルオープンする可能性が浮上した。国内外のバスケットボール関連資料や書籍、グッズなどを展示する「能代バスケミュージアム」の拡大案が前向きに検討されている。

この日の市議会で、市長も後押し。同市担当者も「今はとても小さい場所なので、すでに手狭になっている。もっとたくさんの方に、もっと多くの物を見に来ていただきたい。まだ計画の詳細までには至っていませんが、こちらからもいろいろな提案をしていきたいと考えています」。展示スペースの拡大は当然だが、グッズや土産品などの販売ショップに加え、3人制バスケ競技が実施できるコートを併設するプランもある。JR能代駅近くならアクセスも抜群だ。

能代工の歴史コーナーも常設される。10日まで能代・金勇で開催中の追悼展でも加藤氏の写真やトロフィーなどが紹介されている。死去後、遺族から私物写真や、加藤氏が丁寧にスクラップしていた記事なども提供され、貴重な“お宝”が眠っている状態。能代工ファンだけでなく、全国のバスケファンが集う拠点となれば夢も広がる。

W杯出場を決めた男子日本代表の活躍だけでなく、東京五輪に向け人気上昇の兆しはある。Bリーグも満員会場が多数。能代工OBはもちろん、加藤氏を慕って指導を受けてきた指導者も多い。能代工を中心としたバスケを、全国に発信していく。【鎌田直秀】