JTが東レを3-2のフルセット(25-21、25-27、28-26、23-25、15-13)で振り切って先勝した。31日の第2戦でJTが連勝すれば決勝進出。東レが雪辱して1勝1敗になった場合は、試合後に1セット25点のゴールデンセットが行われる。準決勝を勝ち上がったチームが4月7日、14日の決勝(2試合制)でパナソニックと対戦する。

取って取られてのクロスゲームを制したJTブコビッチ監督(モンテネグロ)は、大きく息を吐き出しながら言った。「予想した通りのタフな試合。実力差がないし、お互いに手の内を知り尽くしているからね」。レギュラーシーズンは1勝2敗と負け越したが、上位6チームによるプレーオフでは勝ち、これまでの対戦成績はまったくの互角だった。

JTのエドガー(オーストラリア)劉力賓(中国)に対して東レのアントニン(フランス)アウン・トゥ(ミャンマー)。外国人同士がノーガードで打ち合う中、勝負を分けたのはミドルブロッカー陣の決定力だった。安永拓弥、小野寺大志が勝負どころで速攻、ブロックで得点を挙げ、試合の流れを最後まで手放さなかった。2人合わせて23点。東レのミドル陣の17点を上回り、ブコビッチ監督も「安定した、いいパフォーマンスだった」と評価した。

前回の準決勝では豊田合成に先勝しながらタイにされ、ゴールデンセットを落として涙をのんだ。セッター深津旭弘は「ギリギリの試合で勝てたことは大きい。明日も勝ち急がず、1点1点を積み上げる気持ちで戦いたい。明日3セット取って初めて勝ちですから」。JTが王手から一気に決勝進出を決める。