オービックが31-15でIBMを退け、3年連続8度目の東日本社会人王座に就いた。MVPは、オービックのWR木下典明(36)。4年ぶり3度目の栄冠に輝いた。

【第1クオーター】

IBMのレシーブで試合開始。QB政本からWR近江へのパスでファーストダウンを獲得した。しかし、その後の攻撃は続かず、パントはスナップミス。自陣7ヤードでオービックに攻撃権を渡した。

代わって敵陣7ヤードからの攻撃となったオービックは、同4ヤードまで進むと、2分32秒、QBハワードからWR木下へTDパスが決まった。PATキックも決まり、オービックが7点を先制した。

ミスによる失点を返上したいIBMだが、ファーストダウンは取るものの、TDにはつながらない。

対するオービックはハワードが意表を突くRB望月へのパスなどで前進した。そして、RB李のランに相手反則もからめて敵陣23ヤードまで進んだ。しかし、ロスタックル後にK星野が45ヤードのFGを狙ったが、不成功に終わった。

すると、IBMは敵陣49ヤードでファーストダウンを獲得。さらに2ヤード進んだところで第1Qが終了した。

【第2クオーター】

攻撃を続けたいIBMだが、QB政本のパスがつながらない。

オービックの自陣10ヤードからの攻撃に代わると、QBハワードがスクランブルラン。同31ヤードまで進むが、IBMのDL森田のQBサックで9ヤードロスしてしまう。さらに反則でのロスが続くが、ここでハワードからWR前田への60ヤードのパスが決まる。そして、敵陣21ヤードまで進むと、最後は6分4秒、K星野が38ヤードのFGを決めた。得点はオービックの10-0に変わった。

IBMはエースWR栗原がリターン。しかし、自陣15ヤードまでしか戻せない。ところが、ここでオービックがパスインターフェアランスの反則。IBMは労せずしてファーストダウンを獲得した。IBMはさらにQB政本のパスと相手反則、政本のランで敵陣34ヤードまで進んだ。すると、9分28秒、敵陣27ヤードからK佐藤が44ヤードのFGを決め、3点を返した。

オービックはDBブロンソンが自陣34ヤードまでリターン。すると、9分50秒、あっと驚くビッグプレーが飛び出す。QBハワードがWR木下へ66ヤードのTDパスを決めた。

対するIBMはWR栗原が53ヤードのビッグリターン。敵陣まで攻め込むが、QB政本がオービックDLビーティーJr.にQBサックを食らってしまう。それでも、IBMはあきらめずにRB鈴木のランで敵陣38ヤードまで前進。そして、K佐藤が55ヤードのFGを試みたが、惜しくもゴールポストに阻まれた。

オービックの攻撃となり、ここで前半が終了した。

【第3クオーター】

ハーフタイムの後、オービックのレシーブで試合再開。WR木下が自陣21ヤードまでリターンすると、主将のRB地村の11ヤードランでファーストダウンを獲得した。さらに木下への連続パス、ハワードのキープランでファーストダウンを更新するも、IBMのLBコグランにファンブルリカバーされてしまう。

攻撃権を得たIBMはRB鈴木のランでファーストダウンを獲得した。さらにQB政本がTEスタントンへのパス、自身のラン、RB高木へのパスでゴール前1ヤードに迫った。フォルススタートで5ヤード下がったが、最後は7分2秒、政本からWR前田への6ヤードTDパスが決まった。しかし、PATキックは不成功に終わり、得点はオービックの17-9となった。

代わったオービックの攻撃は自陣30ヤードから。すると7分25秒、この日絶好調のWR木下へQBハワードから70ヤードのTDパスが決まった。PATキックも成功し、得点はオービックの24-9となった。

離されたくないIBMはQB政本のラン、RB鈴木のランでファーストダウンを連続で獲得。自陣46ヤードまで前進した。さらに、政本からRB高木へのパスで敵陣40ヤード、WR近江へのパスで同7ヤードまで迫る。続いて同4ヤードまで進んだところで第3Qが終了した。

【第4クオーター】

同Q開始6秒、IBMはQB政本が自らボールをエンドゾーンに運んだ。そして、パスで2点追加を狙うも不成功。得点はオービックの24-15に変わった。

オービックの攻撃はタッチバックで自陣25ヤードから。RB李が走り、ロスタックルを食らうも、その後すぐにQBハワードがWR前田へのパスでファーストダウンを獲得した。すると李が15ヤードを走って50ヤード地点へ。さらに李のラン、ハワードのキープランで敵陣34ヤードでファーストダウンを獲得した。こうなると、ランが止まらない。李が29ヤード走り、敵陣5ヤードまで迫ると、最後も李がTDランを決めた。PATキックも成功し、3分16秒、得点はオービックの31-15となった。

IBMは自陣26ヤードからの攻撃。QBがヘッドコーチ兼任のクラフトに代わった。RB鈴木のランなどで前進を図るが、クラフトはオービックDLビーティーJr.にロスタックルされてしまう。

代わったオービックは自陣34ヤードからの攻撃。QBは菅原に代わり、主将のRB地村の連続ランでファーストダウンを獲得した。そして、自陣48ヤードから、さらに地村が走る。そして、菅原のキープラン、地村へのパスでファーストダウンを更新した。地村はさらにラッシュし、敵陣27ヤードへ。そして、そこから地村が一気にエンドゾーンへ走り込み、TDかと思われたが、反則で罰退。その後の得点にはつながらない。

最後に意地を見せたいIBMだが、QBクラフトがオービックDLフィナイカにロスタックルを食らってしまう。さらにパスもカットされるが、RB高木へのパス成功で敵陣33ヤードまで前進した。しかし、パーソナルファウルで15ヤードの罰退。その後の連続パスも不成功に終わり、万事休すとなった。

試合時間は残り37秒となり、オービックはQBが荒木に交代した。ファーストダウン獲得後にビクトリーフォーメーションに移り、3年連続の優勝を決めた。

◆オービック古庄ヘッドコーチ 春にできることをやっていこうと取り組み、良い通過点にできた。いやな時間帯も引っ張られず、ビッグプレーもあった。最後の最後まで良い緊張感を持てた。去年も春はここまで来ている(=パールボウルは優勝している)が、完璧ではない。ライスボウルが終わるまで、毎週土日に積み重ねていく。

◆MVPのオービックWR木下典明 (西村)有斗と前田の活躍があり、僕へのマークが手薄になっていた。でも、オフェンスがみんなで話し合って、良い方向に行ったとは思う。このパールボウル優勝でステップアップできたので、秋は全勝でJXB(ジャパンXボウル)、ライスボウルまで行きたい。

◆IBMのDB中谷祥吾主将 去年(JXBで)富士通に負けてから、粘り強いチームにしようとやってきた。(パールボウルの)準決勝では粘って勝利につなげられたが、今日はミスと層の薄さが出た。秋は個の力を伸ばしていかないと勝てないので、トレーニングする。