男子シンクロ板飛び込みで、寺内健(38)、坂井丞(26=ともにミキハウス)組が「東京オリンピック内定1号」を手にした。予選2位通過で迎えた決勝は389・43点の7位。日本水泳連盟の選考基準、オリンピック(五輪)内定の8位以内をクリアし、全種目を通じて個人として最速で東京切符。寺内は馬術杉谷泰造に並ぶ夏季日本勢最多の6度目、初出場の96年アトランタ大会から24年をへて、自国開催の五輪に向かう。坂井は2大会連続2度目の五輪出場となる。

坂井は順位を見ながら演技した。「3本目からずっと8位で苦しかった。うれしいし、やっとスタートラインに立てた」。寺内が「天性のもの」と評する美しい入水が持ち味。12年ごろから原因不明の「コリン性じんましん」に悩まされる。「ゆうこりん(小倉優子)じゃないですよ」と言うが、汗をかくと針で刺されたような痛みが走り、練習場に到着しても、そのまま引き返すこともある。そんな苦難を乗り越えて「東京五輪に連れて行ってあげたい」と願っていた父の弘靖コーチ(67)とともに東京の大舞台へ向かう。

◆坂井丞(さかい・しょう)1992年(平4)8月22日、神奈川県生まれ。10年に日本選手権で、高飛び込みと3メートル板飛び込みの2冠を達成。16年リオ五輪に3メートル板飛び込みで初出場し、予選22位で敗退。171センチ、58キロ。