ロシアが体操王国完全復活を印象づけた。9日の団体総合決勝でソ連時代以来28年ぶりの優勝を飾った勢いままに、若きダブルエースが躍動した。

跳躍の高さに力強さも兼ねる22歳のナゴルニーが、昨年3位からの進化をみせて初優勝。最初の床運動では冒頭でH難度の「3回宙返り」を驚異の跳ね上がりで決めて15・041点の高得点で滑り出すと、大技「ドラグレスク」で着地を決めた跳馬とつり輪で全体トップの得点を重ねた。

「高いレベルの構成をほぼ完璧に決めることができた。これ以上の感動はない」と歓喜にロシア国旗を掲げる横にいたのは、盟友のダラロヤン。出遅れたが昨年覇者の23歳は2位まで追い上げてみせた。娘が生まれたばかりの新米パパは「夜も子守があるけど、試合は試合で集中するだけ」と家族の支えを強調した。

ナゴルニーも昨年12月にロシアの女子団体総合銀メダルのスピリドノワと結婚しており、若き夫コンビは東京五輪でも日本に立ちはだかる。チームとしても今夏に3週間、事前合宿地の新潟県加茂市で予行演習を済ませており、備え万全で乗り込んできそうだ。