東京オリンピック(五輪)で初めて実施されるスポーツクライミングの出場基準の解釈を巡り、日本山岳・スポーツクライミング協会は1日、国際連盟をスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ提訴したと発表した。

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スポーツクライミングの東京五輪代表選考基準を巡っては、国際連盟が公表している資料の文言と、日本側に口頭で説明される解釈との齟齬(そご)を早い段階から問題視する声が上がっていた。女子のある有力選手は資料を読み、世界選手権で上位に入れば日本勢2番手も自動的に五輪代表に決まると理解したといい、解釈の食い違いに「疑問がある」と話した。日本協会によると今回の「新解釈」は、資料の表現に近い内容に修正された形だ。スポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴に実りがなければ、日本の2枠目での代表入りを目指していた選手の五輪への道は断たれることになる。若者に人気の都市型スポーツで、東京五輪では日本勢のメダルが期待され、次のパリ五輪でも実施される見込みの有望競技。しかし今回の混乱で、組織の運営能力に大きな疑問符が付くことになった。