ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子個人第3戦(7日、ロシア・ニジニタギル)で初優勝した佐藤幸椰(24=雪印メグミルク)が17日、帰国した。新千歳空港で取材に応じた。

表彰台の中央に立って君が代が流れた瞬間を振り返り「去年は(個人総合優勝の小林)陵侑に何回も聞かされたけど、自分の力で流せたのは良かった」。1回目7位からの逆転Vに「まさか優勝するとは」と、今でも信じられない様子だった。

ドイツ・オーベストドルフ大会(28日開幕)から4連戦の伝統のジャンプ週間に臨む。昨季は小林が完全優勝。「チーム一丸となって、また日本人でジャンプ週間の総合優勝を取れるように、より努力していい結果を」と意気込む。札幌で過ごす約1週間は、ラーメンやすしを堪能しつつ「なるべく日本の時差に合わせないように」と、午前中の練習や活動を避け、欧州時間に合わせた生活で調整するつもりだ。

W杯は現在総合7位。「残している成績は自分の想像以上」と言いながら、シーズン前に掲げた総合トップ30入りの目標を変えるつもりはない。19年を漢字一文字で「パーフェクトの『完』」と振り返った。日本勢男子15人目のW杯覇者は、日本ジャンプ界をさらに盛り上げる可能性を秘めている。【保坂果那】