来年8月に札幌市で開催される20年東京オリンピック(五輪)のマラソンコースが19日、決定した。市内中心部の中央区、豊平区、北区が「舞台」。大通公園発着で、前半は約20キロを1周、後半は約10キロを2周する変則的な周回コースとなった。選手が3回通過するスポットも誕生。コース沿道のホテルや飲食店からは“五輪効果”に期待する声が上がった。

19日に発表された男女マラソンのコースは、約20キロのルートを1周した後、約10キロを2周する。後半2周は前半20キロの一部を再走する形で、さっぽろテレビ塔から北上して北大を通過し、テレビ塔に戻ってくるコース。後半の周回コースは、ほぼ選手が3回通過する格好になり、沿道は歓迎ムードだ。

<1>ANAクラウンプラザホテル札幌(中央区北3条西1丁目) 創成川通り沿いにあり、JR札幌駅から徒歩7分と絶好のポイントとなる。イベントなどを開催する2階テラス席(夏場のビアガーデンで80席)は、座って観戦でき、眼下を走る選手の熱気も感じられる。担当者は「具体的な案はこれからですが応援イベントなどで盛り上げることができれば」と期待感を隠さない。

<2>札幌幌北小(北区北19条西2丁目) グラウンドが歩道を挟んでコースに隣接。フェンス越しではあるが、距離的には近いポイントだ。マラソンについて話題になっており、同校職員によると「可能ならば応援の横断幕を張りたいねと話しています」。スペース的には特設の観覧席も可能な広さがある。

<3>味名人桃太郎 北24条店(北区北23条西2丁目) 北上したランナーが左折する角地にあるラーメン&ギョーザ専門店。営業は午前11時からで、観戦スポットとはいかないが、沿道に詰めかけた観客が入店する可能性もあり「チャンスかもしれないですね」(同店)。感動体験後、お腹も満たせる。

<4>MASUYA Meat&craft beer(北区北23条西5丁目)

地下鉄北24条駅から徒歩2分、肉料理とクラフトビールが売りのダイニングバー。ビル2階に店舗があり、コース側がガラス張りになっている。通常営業は午後5時から深夜1~3時だが、マラソン実施の2日間は「早朝からオープンする予定です」とレース時間に合わせる。

平常時は国内外の観光客で賑わう北大は、観戦できるか否か、今後の判断になりそうだ。北海道マラソンではゴール前の通過コースだが、五輪は選手が3度駆け抜ける。雄大な自然にあふれ、歴史的な建物も多いだけにニーズは高いだろうが、例年通りだと一部学生の試験期間とも重なる。広報担当者は「組織委員会などの要請があってから具体的に調整したい」と慎重だった。【西塚祐司】

◆東京五輪マラソン&競歩の日程

8月6日午後4時30分 男子20キロ競歩

同7日午前5時30分 男子50キロ競歩

同7日午後4時30分 女子20キロ競歩

同8日午前7時 女子マラソン

同9日午前7時 男子マラソン