若狭東(福井)が郡山北工との接戦を制し、2大会ぶりの2回戦進出を決めた。

同校は地域性もあり、中学までのラグビー経験者は皆無だ。身長も全員180センチ未満。そんなラガーマンたちには、どうしても勝ちたい理由があった。SO山本友也(3年)の存在だ。

山本はチームの司令塔として欠かせない存在だった。だが、15日の練習試合で右膝を負傷。初戦に出場することができなかった。朽木雅文監督(47)は「(他の選手が)友也がいないとパニックになってた」と振り返った。

山本の足は短時間ならば2回戦に出場できるような状態だ。フランカー西岡柚弥斗主将(ゆやと、3年)を中心に「山本がグラウンドに立てるように1勝しよう。山本のためにみんな体を張ろう」と奮起。初戦の勝利をつかみとった。代わりに出場したSO左近田悠矢(さこんだ・はるや、3年)もトライを決めた。

全員の気持ちで勝ち取った2回戦進出。山本は「1回戦勝つとケガを治す期間が増える。うれしい。自分もみんなとやれる」と顔をほころばせた。【南谷竜則】