4年連続45回目出場の報徳学園(兵庫)が山形中央を162-5で下し、大会最多得点記録を更新した。これまでの最多は16年の東福岡が記録した139得点だった。

この日、29回連続29回目の石見智翠館(島根)も132得点で富山第一に勝利。歴代4位の得点を記録した。茗渓学園(茨城)や日川(山梨)なども2回戦に駒を進めた。

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楕円(だえん)球を持った報徳フィフティーンは、縦横無尽に駆け回った。勢いは止まらず、合計24トライ。162得点は大会最多得点を更新。ただ、大差でノーサイドの笛を聞いても、選手たちの表情は引き締まっていた。

試合後、西條裕朗監督は、歴代最多得点となる162点に「報徳学園の、ですよね?」と報道陣に確認。大会記録だと聞かされると「え! 全然意識してなかったです」と素直に驚いた。「点数が取れる得点能力があったということ。でも、後半に点数を取られたことと、ペナルティーが2つ続いたことが課題ですね」と一喝した。

この試合のテーマは「単純に、シンプルに」だった。大会初戦とあって「できるだけ緊張感や、スタジアムの雰囲気を味わってもらいたかった」。ハーフタイムには「もう1回、0-0からのつもりで」と選手8人を入れ替えた。

次戦は、30日にBシードの国学院栃木と対戦する。勝利へ、まだ秘策もある。「本来スターティングにいる選手を使っていない。3年生ウイングの下村。それがいると、もう少しボールが動くかな」。この日はベンチメンバーにさえ入れなかった。「シード校なので、胸を借りてやります。(近年は)優勝校に負けている? ぜひ自分のところが優勝できるように」と不敵な笑みも放った。

主将のFB山田響(3年)も「機動力が強み。FWとBKのバランスが取れてきた。勝たないと、次への挑戦権はないので、やる気に満ちあふれています」と闘志をむき出す。卒業後は報徳学園ラグビー部では初となる慶大への進学を決めており、最後の大会を花道で飾りたいところだ。

歴史を塗り替えても慢心はない。【真柴健】