全国高校ラグビーは30日、東大阪市の花園ラグビー場で2回戦が行われる。1回戦で米子工(鳥取)に82-0で快勝し3年連続で初戦を突破した黒沢尻工(岩手)は、Bシードの東京(東京第1)と対戦する。

自身3年連続の花園となる鈴木虎鉄(こてつ)主将(3年)がチームを引っ張る。1年時にはフッカー、昨年はフランカー、今年はNO8と、経験豊富な主将は初戦の大勝にも気の緩みはない。前々回は2回戦でAシードの京都成章に0-54で敗れた。「半端ない強さだった」と力の差を痛感。前回は3回戦でBシードの常翔学園(大阪)に28-50で敗れた。「終わった瞬間はやりきった感があったけど、もっとやれたんじゃないかという思いがすごく出てきた」と成長とともに悔しさが増幅してきた。

新人戦、総体予選では「赤べこ軍団」伝統のモールからの得点が中心だった。「得点パターンを増やさないと全国で上にはいけない」。初戦は12人で14トライを挙げるなど、FWとBKが融合し進化を証明してみせた。

7月に釜石鵜住居復興スタジアムで行われた日本-フィジー戦を観戦し気持ちを新たにした。「最高でした。あの場所にスタジアムがあることが信じられなかった」。内陸部の北上出身だが、岩手県人として、東日本大震災で大きな被害を受けた沿岸部への思いは強い。28日には山形中央が報徳学園(兵庫)に大会最多162失点で敗れた。工藤翔主将(3年)とは東北選抜の選考合宿で同室だっただけに、悔しさは想像できる。「負けた東北勢の気持ちも背負って、死ぬ気で勝ちきりたい」。熱い思いを胸に、まずは三度目の正直で2勝目を狙う。【野上伸悟】