全国高校ラグビー大会は7日、大阪・花園ラグビー場で桐蔭学園(神奈川)と御所実(奈良)の決勝戦が行われる。前回準優勝の桐蔭学園は、19年ワールドカップ(W杯)日本大会で活躍した松島を擁し、東福岡との両校優勝だった10年度以来の優勝と、初の単独制覇を狙う。

誰よりも優勝に燃える男がいた。プロップ床田淳貴(3年)だ。6日、神戸市内で約2時間汗を流し「モールやディフェンス対策はできた」と気合十分。長兄・裕亮(24=パナソニック)、次兄・聖悟(22=立大4年)は桐蔭学園OBでともに花園の決勝で敗れ準V。前回大会決勝で先発した床田は、リベンジを誓ったが惜敗。3人で計17勝だが優勝はない。「銀メダルは家に3個あるのでもういらない」と、床田家4度目の決勝となる今大会で2人の思いも背負って戦う。

副主将の床田は、どんな時も平常心。トライを奪われても表情を変えず、次のプレーに向かう。母・真樹さんは「兄2人を見ていた分、視野が広くなった。負けていても動じない」と話す。8月に試合で骨折し、2カ月離脱。復帰の際に温かく迎え入れてくれた控え選手への思いも忘れない。「今回もFW勝負になる。しっかり止めて彼らの分まで勝ちたい」と意気込んだ。【松熊洋介】