高梨沙羅(23=クラレ)が今季最高の2位に入り、今季2度目、W杯通算99度目の表彰台に立った。1回目92・5メートルを飛び2位で折り返すと、2回目も91・5メートルとまとめ、合計215点と順位をキープした。開催地の山形・蔵王は12年3月にW杯初優勝を飾った験がいい場所。同地で行われる19日の個人第7戦で大台100度目の表彰台を狙う。エバ・ピンケルニヒ(31=オーストリア)が2連勝を果たした。

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4戦ぶりの表彰台に立った高梨が、蔵王に駆けつけた2200人の観客にとびっきりの笑顔をふりまいた。今季は3位が1度。今季最高の2位に「まだ自分のジャンプを模索中ではあるけど、現時点の自分のやるべきことはできた。今までの試合のなかで一番いい試合ができた」。1回目、ほぼ無風のなか課題の助走姿勢を意識しながら飛び出し92・5メートル。2回目は不利な追い風でも91・5メートルを飛んで、個人通算99度目の表彰台を手放さなかった。

今季W杯はここまで5戦続けてラージヒル(LH)。初のノーマルヒル(NH)に、大会前から「ラージからノーマルに切り替わる時の方が感覚良く飛べる」と自信を見せていた。助走速度が90キロ台が出るLHに対し、NHは80キロ台。「ラージほどのスピード感がないのでしっかり自分のポジションに落とし込んで待つ、我慢するっていうことが大事になってくる」と、得意のNHで本領を発揮した。

W杯で初めて表彰台に立ったのが蔵王。初優勝した12年3月3日から9シーズン目、大台の100度にあと1と迫った。だが歴代最多56勝を誇る女王も数字にはこだわらない。「特に考えてません」と意に介さなかった。ただ、雪不足の影響で開催も危ぶまれた大会での結果に「恩返しにはならないかもしれないけど、『整備して良かったな』って少しでも思ってくれていればうれしい」と関係者を思いやった。

18日団体戦、19日個人戦と続く。記念すべき100度目の表彰台も、ここ蔵王で達成してみせる。【保坂果那】