男子テニスは、新設なった国別対抗戦ATPカップで、20年の幕を開けた。オーストラリアのシドニー、パース、ブリスベンの3都市で1次リーグを行い、上位8カ国が、最後にシドニーで、決勝トーナメントを戦う方式だ。優勝は、ジョコビッチ(セルビア)が率いるセルビアが飾った。

100年以上の歴史を誇り、19年11月に行われた国別対抗戦デビス杯から約1カ月半しかたっていない。その間に2つの国別対抗戦を行うことに賛否両論が渦巻いたが、ATPカップはおおむね盛り上がった。

日本はパースで1次リーグを戦った。当初のメンバーから、エースの錦織圭(30)、内山靖崇(27)をケガで欠いたが、新エースとして、西岡良仁(24=ミキハウス)が日本を引っ張った。対ウルグアイで同45位のクエバス、対ジョージアで同26位のバシラシビリと、エース対決でランク上を撃破。対スペインでは、さすがに、同1位のナダルに敗れたが接戦を演じた。「本当に大きな自信になった。少し、周りの見る目が変わったのも感じた」。

170センチ、64キロと小柄な体を目いっぱいに使い、左利きからさまざまな球種を繰り出し、相手にリズムをつかませない。そのプレースタイルは、見ているものをくぎ付けにさせ、間違いなく興奮させる。

17年に左ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂。リハビリ期間に始めたYouTubeの情報発信も板についてきた。「yoshi'sチャンネル」を開設し、ATPカップでは、放映権の部分も、ATPと直接交渉しクリア。大会や選手の裏側を数多くの動画でアップした。YouTubeの登録人数も「すごい増えました」という。

現在、世界71位。17年に左ひざをケガした時の自己最高位58位を抜くのが、当面の目標だ。それには、まだ2回戦の壁を突破したことがない4大大会での活躍が必須。今季の開幕戦、全豪オープンでの上位進出に期待がかかる。そして、その最高位更新が、東京オリンピックの代表にもつながる。

 

◆全豪オープンテニスは、WOWOWで1月20日~2月2日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。大会第1、2日はWOWOWテニスサイト・WOWOW公式YouTubeで無料配信