ついに20年東京オリンピック(五輪)イヤーが幕を開けた。テニス競技は、現在、五輪代表をかけたレースまっただ中。ただ、テニスの場合、4大大会があり、五輪レースを区切りと意識する選手は多くない。それでも、20年6月8日の世界ランキングで、男女シングルスは、各国および地域最大4人までが代表に選ばれる。

20日に開幕する全豪オープンのコートは、東京五輪テニス競技の会場である有明テニスの森公園と同じハードコートだ。湿度の差はあるが、気温は40度近くなる時もあり、高温、コートとして東京五輪を占うにも、同じ環境で行われる五輪前の最大の大会だ。

16年リオデジャネイロ五輪には、多くの選手が出場しなかった。それは、直前のジカ熱などと、地理的な背景も理由だったかもしれない。今回の東京は、ジョコビッチ(セルビア)、フェデラー(スイス)らは早々と参戦を表明。リオほどの欠場者はいないだろう。

根本的に、五輪に興味を示さないテニス選手もいる。男子のティエム(オーストリア)は、その1人だ。過密日程を理由に、リオも出場を断った。今年の東京も見送るだろうと言われている。しかし、その数は、リオに比べて、少ないのではないだろうか。

東京五輪に向けて、全豪の出場選手の中で、最大の注目は、男子のジョコビッチとフェデラーだ。ともに五輪シングルスの金メダルがない。最後のチャンスと、東京には並々ならぬ意欲で挑むに違いない。

ジョコビッチは、4大大会の中でも、最も全豪を得意とする。昨年、史上最多7度目の優勝を飾った。今年のドローも悪くない。準々決勝で対戦するだろうシチパス(ギリシャ)かバウティスタ(スペイン)までは、すんなり行くのではないだろうか。

ライバルで世界1位のナダル(スペイン)とは決勝でしか当たらないが、前哨戦でのATPカップ決勝では、ナダルの守りを粉砕。速い展開のプレーで圧倒した。その勢いで、8度目の優勝に向け万全の体制だ。

そして、ジョコビッチが準決勝で対戦しそうなのがフェデラーだ。フェデラーも、全豪6度の優勝を誇る。ここが両者にとって、最も大きな関門となるはずだ。両者の対戦成績はジョコビッチが26勝23敗とリード。全豪でもジョコビッチが3勝1敗だ。

また、今季、カタールオープン、アデレード国際と、全豪前哨戦2大会連続優勝で、今季負けなしの同16位ルブレフ(ロシア)、昨年4大会に優勝した成長株で同4位のメドベージェフ(ロシア)ら、若手の活躍も見逃せない。

女子は大本命がいない。世界1位のバーティ(オーストラリア)、4大大会23度の優勝を誇るS・ウィリアムズ(米国)、前哨戦ブリスベン国際で優勝した同2位のプリスコバ(チェコ)、そして2連覇に挑む大坂なおみ(22)らにチャンスがあるが、誰が勝ってもおかしくない。

女子は、17~19年の3年間、年間のグランドスラム4大会、すべて優勝者が異なる混戦状態が続いている。その中で、年をまたいでだが、2度の優勝を遂げているのは、大坂と元女王のハレプ(ルーマニア)だけだ。

 

◆全豪オープンテニスは、WOWOWで1月20日~2月2日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。大会第1、2日はWOWOWテニスサイト・WOWOW公式YouTubeで無料配信