男子決勝でTEAM TSUKUBA(茨城)がDIME BLACK(長崎)を21-15で下して優勝した。女子決勝はREXAKT(山梨)がSIMON(神奈川)に20-11で快勝した。

高校時代は「帰宅部」だった男が、大逆転での東京オリンピック(五輪)出場を目指す。男子MVPに選出された大友隆太郎(25=TEAM TSUKUBA)は「賞をもらったのは僕だけど、チームみんなで勝ち取った」。この優勝で、4月に行われるワールド・ツアー・マスターズ(ドーハ)の出場権を獲得。東京五輪出場資格を得るためのポイントは「まだまだ足りない」という状況だが、「マスターズに勝てば大きなポイントが入る。一発逆転を狙いたい」と力強く宣言した。

自らを「エリートではない」と言うように、高校時代は無名の存在で、ウインターカップ出場経験は1度もない。それもそのはず、茨城・水戸一高ではバスケットボール部に入ったものの、水が合わずに「1年夏あたりでやめた。そのあとは帰宅部だった」。それでも地元の実業団チームに混じっての練習や、社会人クラブで年上の選手たちとプレーすることで腕を磨いた。

大学はバスケの名門・筑波大へ。「進学校だったんで、勉強したらどこでも行けると思っていた」と、一般入試で難関を突破。卒業後はBリーグ2部の茨城ロボッツに所属した後、3人制バスケットが東京五輪の追加種目に採用されたこともあり、18年6月に3人制チームに加入した。

3人制ならではの接触プレーの多さに「デビュー戦はひどい内容だった。何もできなかった」と振り返る。それでも食事や睡眠、トレーニング方法を自ら研究し、ボディー改造に成功。3人制に転向したさいは90キロだった体重は、「15キロぐらい増えた」とうなずく。

代表合宿に招集された経験はまだないが、「(3人制を)続けている以上は、そこを目指す。5人制のBリーガーに負けないところを見せたい」。日本選手権優勝とMVP獲得で得た自信を胸に、虎視眈々(たんたん)と代表入りを狙っている。