新型コロナウイルスの影響で先月28日から中断されていたBリーグが14日、無観客で再開された。東地区3位の千葉はホームで同首位の宇都宮と対戦。会場に来られないファンに向け勝利と勇気を届けたいという両チームの熱い思いがぶつかった熱戦となった。

前半40-42で折り返した千葉は、第3クオーター(Q)で主導権を握られ、10点差に広げられた。日本代表PG富樫は相手にボールをはじかれ、声を荒らげて反則をアピールする場面も。パスがうまく通らず審判に詰め寄ったり、自陣でボールを受けるときに相手を倒して反則を取られるなど、気合いが空回りした。第4Q残り5分を切り6点差まで詰め寄ったが、宇都宮・遠藤に3点シュートを立て続けに決められ、富樫もターンオーバーを許すなど、最後は力尽きた。

全国にライブ配信された試合は、普段の会場の雰囲気に少しでも近づけようというチームの意図が見られた。客席のシートには「GO! JETS!!」と書かれた紙が貼られ、スタンドにはコレオグラフィーで「コロナニショウリ! GO JETS」の文字が大きく浮かび上がった。その他三方のスタンドは赤一色に染まった。千葉ジェッツ関係者によるとコレオグラフィーを考えたのは試合中の演出やイベントを考える部署のスタッフで「普段会場に来てくださる方が楽しめるにはどうしたらいいか」と考え、企画を思い付いたという。

大歓声や手拍子などはないが、会場には、普段と同様ににぎやかな音楽が流れ、インターバルではチアリーダーズの切れ味鋭いダンスも今まで同様に披露された。チーム関係者は「始まる前は重い雰囲気になるかと思いましたが、始まるとそれほど変には感じませんでした」と話した。メディアは全員検温を行い、マスク着用で観戦。最大限の予防をしながらも、選手のパフォーマンスを最大限に引き出し、試合の迫力を見ている人に伝えようとしたチーム努力があって、好ゲームが展開された。【松熊洋介】