東地区5位の福島ファイヤーボンズが首位仙台89ERSを74-69で下した。前日に続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、無観客で行われたホーム戦。第1Q序盤に鈴木大(29)の3Pで7-6と逆転してからは、最後までリードを許さず、B1昇格に向け快走する仙から、昨年10月6日以来の勝利を奪った。

森山知広HC(36)は「よく選手がこの状況(無観客試合)の中で結果を出してくれた。首位を相手に勝ち切れたことで、ポテンシャルを証明できたと思う」と手応えを口にした。3週間ぶりのリーグ再開となった前日の第1戦に続き、クラウドファンディングで募った資金(409万円)をもとに実現した福島県の色「あかみだいだい」カラーの3rdユニホームで戦った。初戦は終盤追い上げながらも69-75と惜敗していただけに、村上慎也主将(29)は「みなさんのおかげで形にできたので、できることならみなさんの目の前で着られるのがよかった。画面越しでしか姿を見せられないので、勝つことができてよかった」と恩返しの勝利を喜んだ。無観客試合によってあらためてブースターの力の大きさも思い知らされた。「今までは接戦の場面で後押ししてもらっていた部分が、今回はなかった。今はいい意味で自分たちが成長できる時だと思う」と異例の事態を。

リーグ戦再開前日の12日、コンサルティング事業を展開する「識学」が、運営会社の筆頭株主となることが発表され、6300万円の債務超過が解消される見込みとなった。6月決算で債務超過を解消しなければB2クラブライセンスを失い、B3降格となる危機だった。神原裕司(30)は「僕たちは不安もなくなり、1勝1勝を積み重ねていくということがはっきりした。今まではB1に上がれないんじゃないか、B2に残れないんじゃないかとか不安抱えていた選手もいたと思う。会社がB2に残れるという結果を出してくれた。あとは、僕たちが結果を残さないのは、プロとしてダメだと思う」と、新たな気持ちで残り13戦での巻き返しを誓った。

 【野上伸悟】