盛岡誠桜(岩手)女子バレーボール部の伊藤崇博監督(47)が3月限りで同校を退職し、新年度から高校女子の名門・下北沢成徳(東京)の同部コーチとして赴任することが19日、明らかになった。

伊藤監督は盛岡市出身で盛岡南から日体大に進学。大学在学中に成徳(現下北沢成徳)のアシスタントコーチを務め、その後は日立ベルフィーユのコーチや淑徳巣鴨の監督を歴任した。盛岡誠桜ではコーチを経て00年春から監督に。盛岡女時代を含む20年間で通算30度の全国出場(高校選手権、総体、選抜大会)に導き、渡辺真恵(21=岡山シーガルズ)や高橋沙織(27=トヨタ車体)、細川絢加さん(25=元トヨタ車体)らV・プレミアリーガーを育てた。

下北沢成徳は過去、全国タイトル9度(国体除く)を誇る強豪。就任40年目を迎えた名将・小川良樹監督(63)が率いる。昨秋は単独チームで国体制覇も、高校選手権出場を逃した。昨年末、コーチ就任を打診された伊藤監督は、小川監督の後任候補として、将来的な監督継承の期待も背負う。

伊藤監督にとっては「苦渋の決断」だったが、下北沢成徳のほか、八王子実践や共栄学園、文教大付ら全国区の強豪が集まる東京で、よりバレーボール界に貢献したいという思いが勝った。18日に離任し、1月の高校選手権出場後は2年生4人、1年生10人になった若いチームを去った。「伸びしろがあるので成長が楽しみ。(全国の)コートで対戦したい」と新天地に旅立つ。後任は村田基(はじめ)氏(32)で、4月からチームを指導する。

◆伊藤崇博(いとう・たかひろ)1973年(昭48)3月4日生まれ、岩手・盛岡市出身。現役時はセッターで県中学選抜を経て盛岡南3年進級前の全国選抜に出場。盛岡誠桜では16年の高校選抜日本代表コーチ、昨年から2年連続で全日本ジュニアオールスタードリームマッチ監督を務めた。家族は妻と1男2女。