日本ラグビー協会は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、トップリーグ(TL)の今季残り全試合を中止すると発表した。03年のTL発足以来、初のリーグ不成立となり、順位は確定しない。都内で会見した太田治チェアマンは「いつ終息するか分からない中で、選手ファーストの立場で考えた」。9日には度重なる薬物問題で、3月中の開催休止を決めていた。

2連覇を目指していた神戸製鋼は開幕6連勝。首位パナソニックとボーナスポイントの影響で勝ち点2差ながら、2位につけていた。上位4チームで争う5月23日からの日本選手権は開催予定。出場チームの決定方法は今後、検討される。

元ニュージーランド(NZ)代表の世界的SOカーターらは帰国済み。日本選手権に向けてトレーニングに励むが、NZでは19日に全ての国への渡航情報が「渡航禁止」勧告に引き上げられた。福本正幸チームディレクター(52)は「所属する外国人スタッフや選手の一部はすでに帰国しており、状況によっては再合流できない可能性も想定される。置かれた状況で持てる力を最大限に発揮し(前回はTLと兼ねて行われた)日本選手権連覇へまい進したい」とコメントした。

日本代表FB山中はツイッターに「残念ですが仕方ないですね」。昨年のW杯の熱気を受け注目されていた今季のTLが、無念の幕引きを余儀なくされた。