アーチェリーの初メダルは、1976年モントリオール大会で誕生した。同大2年19歳の道永宏が、プレッシャーを物ともせず個人総合で銀メダルを獲得した。72年のミューヘン大会で52年ぶりに正式種目に復活したが、この大会での日本人最高成績は女子17位。初の国際大会が五輪だった道永が、それを大きく塗り替える快挙を成し遂げた。

親子二人三脚で獲得したメダルだった。道永は当時、号泣する父の横で笑顔で銀メダルを手にして「ドライな現代っ子」と評された。ただ、本人は「日本人は腕力がない。これを補ってくれたのが父です。家の近くの90メートルの射場でよくしごかれたものです」とコメント。父とトレーニングを重ね、日本アーチェリー界の草分け的な役割を果たした。

その後の日本勢の活躍は、山本博(日体大教)が84年ロサンゼルス大会で銅メダル、04年のアテネ大会で銀メダルに輝いた。「中年の星」を自ら名乗った山本は「20年かけて銅から銀へとなりました。これから20年かけて金を目指します」と名言も残した。

12年ロンドン大会では古川高晴(近大職)が銀メダル、女子団体で銅メダルを獲得。アーチェリー大国の韓国などライバルも多いが、男女ともに着実に力を付けてきている。