ヘラクレス軍団に“早大イズム”が注入される。ラグビーの全国大学選手権で3度の4強経験を持つ大体大は15日、日本代表13キャップを誇る安藤栄次氏(38)が新ヘッドコーチ(HC)に就任すると発表した。

大体大は昨季、関西Bリーグ(2部)降格が決定。早大出身の同氏を招いた裏側とは-。

関西の強豪が大きな分岐点に立った。埼玉・熊谷工高から早大に進んだ安藤氏は、大学時代に清宮克幸監督の下で日本一を経験。卒業後はNECに入社した。12年からプレーした三菱重工相模原では、大体大のチームディレクター(TD)を務める久門大朗氏と共に戦った。

人選について久門TDは「Aリーグ(1部)に復帰した際に、入れ替え戦を争う位置にいてはいけない」と、チームとして決意を固めたという。その上で「再び大学選手権出場を果たし、チームに良い流れ(リクルート面やチーム内外の影響等)を作り出して、長期的な強化につながればと願っています。早大時代のウイニングカルチャーや、取り組み等の知識や経験も共有してもらい、新たな文化や価値の構築に力を貸してもらいたい」と期待を込めた。

4月に入学した1年生にも、注目度の高い選手がそろった。19年度の全国高校大会準々決勝で京都成章から劇的な逆転トライを奪った常翔学園(大阪)WTB生駒創大郎、初めてのトンガ人留学生となる高知中央のNO8ツポウ・マヘらが入部。安藤新HCは「私自身、新たなチャレンジとなりワクワクしておりますが、明確な目標を示しながら学生たちと共に、伝統のフィジカルを前面に出したラグビーに磨きをかけ、今季のAリーグ復帰、ヘラクレス軍団の復活に向け、全力で取り組んでいきたいと思います」と意気込んだ。【松本航】