ラグビー日本代表としてW杯3大会連続出場のSH田中史朗(35=キヤノン)が、レジェンドの功績をたたえた。

18日、元代表ロック大野均(42=東芝)の現役引退が発表されたことを受けて「均(キン)ちゃんのひたむきな姿勢で、日本ラグビーを引っ張っていってくれて、本当にありがとうございました」と感謝の思いを寄せた。

田中の代表デビューは、所属が三洋電機(現パナソニック)だった08年5月のアラビアンガルフ戦(大阪・花園ラグビー場)。途中出場だったため、当時29歳で先発した大野と同時にピッチに立つことはなかったが、以降は数多くのテストマッチで共に戦ってきた。

15年W杯イングランド大会では歴史的勝利を挙げた南アフリカ戦に、そろって先発。愚直なタックルやボール争奪戦で体を張る姿を、間近で見てきた。トップリーグでは常に、日本一を争うライバルだった。

日本代表最多となる大野の98キャップは、衰えを感じさせることなく戦い、長い間、仲間に信頼を寄せられた証しだった。田中は現在の素直な気持ちを込めた。

「これからはグラウンド外でもラグビー界が『ONE TEAM』となれるよう、みんなを1つにまとめていっていただけたらうれしいです」

ピッチ内外で残した功績は、後輩の胸に深く刻まれている。【松本航】