都市型スポーツの総合国際大会「FISE」の20年シリーズが9日、オンラインで開幕する。

聖地で毎年60万人を集めるモンペリエ(フランス)大会を100%オンライン、ビデオ方式の「E-FISE」として実施。東京オリンピック(五輪)で初めて実施されるBMXフリースタイルやスケートボードのメダル候補が「動画」で技を競う。

スポーツと音楽などを融合し「スポーツフェス」として発展してきたFISEだが、今年は新型コロナウイルスの影響で4月の広島大会などが見送られた。5月のモンペリエ大会は8月に延期されたが、主催のハリケーン社が実施困難と判断。大会史上初めての「Webフェス」を決めた。

大会は7競技12種目、選手は時間など定められたルールで動画を投稿する。24年パリ五輪での採用が確実なブレイクダンスが9日から受け付け開始。FISE公式HPにアップされた動画をジャッジとファン投票で順位付けする。予選通過者の新たな動画による決勝は9月20日まで行われる。

動画投稿大会はスポーツとして異例だが、都市型スポーツでは珍しくない。もっとも、これだけ大がかりな国際大会は初めて。パークの違いもあって公平な採点は難しいが、全日本BMXフリースタイル連盟の出口智嗣理事長は「人気投票的な面もあるし、無名選手が飛び出す可能性もある。楽しみです」。東京五輪代表の中村輪夢や大池水杜も参加する予定だという。

Web会議、オンライン飲み会、無観客ライブ…。新型コロナ禍で次々と「新しい生活様式」が生まれている。動画投稿による「E-FISE」も、新しいスポーツならでは。五輪に新風を送り込むと期待されるアーバンスポーツが、スポーツの常識を変える。

 

◆FISE(フィセ) エクストリームスポーツの国際フェスティバル。97年にフランスで始まり、03年から世界シリーズが行われている。昨年は広島大会など全4戦。国際競技連盟のW杯として行われるBMXフリースタイル、パルクールを中心にスケートボード、ブレイクダンスなどが行われる。実施種目は大会によって異なり、今年4月予定が延期になっている広島大会ではスポーツクライミング、eスポーツなども予定されていた。