関西大学ラグビーで4度の優勝を誇る京産大が4日、10月10日開幕予定のリーグ戦に向けて練習を再開した。

新型コロナウイルスの影響で3月下旬から練習を休止。15年W杯日本代表の伊藤鐘史新監督(39)は「コロナの状況は先行きが不透明ですし、一喜一憂はできません」とした上で「寮に戻ってきた選手たちの笑顔を見ると、うれしい気持ちになりました。あの笑顔は、オンラインでは出ない笑顔だと思いました」と4カ月ぶりの再開を喜んだ。

当初は9月20日まで活動が認められていなかったが、大学は7月13日に活動指針レベルを「4」から「3」に移行。「大会参加に向けて早急に準備が必要な場合は、必要性と活動計画を審査のうえ、クラブとしての活動を認めます」とされ、ラグビー部は日本協会のガイドラインに沿って活動計画を提出した。寮は2人部屋だが、感染対策で1人だけが利用。29人の部員は受け入れ態勢が整うまで練習参加できず、制限がある中だが、1歩目を刻んだ。

今後は約4週間でコンディショニングを上げ、残り6週間で専門的な部分の強化に入る。自粛期間は部員がポリタンクを購入し、1個20キロの“筋トレ用具”で体作りも実施。伊藤監督は「中の水が揺れるので、いいトレーニングになっていました」と振り返った。

チームの理念は「いついかなる場合もチャンピオンシップを目指す集団であること」と「何事にも学生らしく、一生懸命ひたむきに取り組むこと」。出遅れが懸念されるが、世界を知る新監督は力を込めた。

「そこは不変です。日本一を目指す途中のターゲットが天理大であり、今年のチームは『TKO(天理ノックアウト)』を掲げています。そこは選手もぶれていません」

目標は関西4連覇中の天理戦勝利。その先に見える初の大学日本一へ、置かれた状況で全力を尽くす。