オンライン開催中の都市型スポーツの国際大会「FISE」のパルクールで、島田善(ZEN、27=LDH)が決勝に進出した。同大会にはBMXパークやスケートボードの東京五輪メダル候補ら世界中のアスリートが動画で参加。ZENは3日に発表された男子予選結果で5位となり、女子4位の山本華歩(30)とともに8人で争う決勝(9月17~20日)に進んだ。

新型コロナウイルス感染拡大で各競技の国際大会開催が見送られる中、FISEは完全オンラインの「E-FISE」として選手たちに活動の場を提供。ZENは「新しい試みで手探りの状態だけど、新鮮でおもしろい。広くパルクールを知ってもらうチャンスだとも思っている」と、大会の意義を口にした。

順位は、ジャッジの採点とFISEの公式サイトにアップされた動画を見たファンの投票で決まる。「選手と観客という関係性ではなく、サポートしてくれる人たちと一緒に戦っている感じ」とZEN。サイトは英語とフランス語で日本語には対応していないが、多くの日本のファンが参加してくれることを願った。

拠点は米ロサンゼルスだが、新型コロナの影響で現在は日本で活動。次は新たな動画で決勝に挑む。「予選は室内で撮ったものだったけれど、決勝用は状況が許せば外で撮りたい」。日本体操協会パルクール委員長として普及にも力を注ぐだけに「勝ち負けだけでなく、パルクールの魅力を知ってほしい」と話した。

新型コロナ感染拡大の勢いは衰えず、今後の大会の予定もたっていない。体操競技の新種目として24年パリ大会での五輪入りを目指しているが、ZENは「今は目の前のことに集中するだけ」と話した。各競技で世界選手権など国際大会の中止が相次ぐ中、アーバンスポーツのアスリートたちはファンとともにオンラインで戦っている。