男子テニスで、日本のエース錦織圭(30=日清食品)が、新型コロナウイルスに感染した。自身の公式アプリで16日に明らかにした。錦織は体調不良に加え発熱があり、拠点とする米フロリダで検査を受け、陽性反応が出た。軽症だといい、すでに自主隔離中。約1年ぶりの実戦復帰の予定だった22日開幕で全米前哨戦のウエスタン・アンド・サザン・オープン(ニューヨーク)は欠場する。21日に再検査を受けるが、31日開幕の全米オープン(同)出場に黄信号がともった。

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錦織は自身最長の実戦離脱が続く。最後に戦ったのは、19年8月30日の全米3回戦だ。もし今年の全米前哨戦の第1日である22日に復帰初戦を戦っていたとしても、すでに358日が経過。09年に右ひじを手術したときに離脱した348日間を超える。

昨年の春ごろから右ひじに痛みを抱えており、全米後、東京・八王子の肘専門医で、関節内遊離体、通称「関節ネズミ」と診断された。09年に手術を受けた時と同じ症状だが、今回の方が軽症だった。10月22日に内視鏡手術を受け、11月下旬からスポンジのボールを打ち始めた。

当初の診断は「2~3カ月で復帰可能」というものだった。しかし、その期間にサーブの大改造を決行。それが身につくまでと3月下旬まで日本に滞在して東京・味の素NTCで練習していた。その間に、コロナ禍に巻き込まれた世界ツアーが中断したことで、復帰の場がなくなっていた。

◆ウエスタン・アンド・サザン・オープンと全米 当初の日程では「ウエスタン-」は8月17日から米シンシナティで開催予定だった。しかし、選手の移動を軽減するため、全米前週に全米と同じ会場での実施に変更。ともに無観客で行われる。全米は予選を行わず、ダブルスは通常の1/2、32組出場に削減。混合ダブルス、ジュニアは開催されない。今季の4大大会はウィンブルドン選手権が75年ぶり、2度の世界大戦以外では初めて中止に。全米後は、5月24日に開幕予定だった全仏オープンが9月27日~10月11日に延期され、行われる。