開幕節第2試合は日本代表藤田倭投手(29)が7回1失点完投で太陽誘電が勝利した。

前日の会見で「最高のプレーを見せるようにしっかり準備してきた」との言葉通り、捕手の構えたところへ、ストライク先行で、ていねいに投げ込んだ。5、6回とピンチを招いたが、捕手佐藤の盗塁阻止や、原田右翼手の好返球もあり、無失点で切り抜けた。試合後「試合の緊張感は普段では感じることもできない。とても疲れました。みんながよく守ってくれたし、雰囲気も良かった」とチームメートに感謝した。5安打1失点の投球内容に「ツーシームやカット系の自信のあるボールがしっかりコントロールできた」と納得の表情を見せた。

打撃でも貢献。0-0で迎えた3回の第2打席。外角球を右中間にライナーで運ぶ先制弾。メキシコ代表でもある相手エースに「五輪で対戦することもあるので1本打てて良かった」と話した。

コロナ禍による五輪延期とリーグ戦の中止。「試合がなくてこういう環境になることは予想外だった」と最初は戸惑うも「長く時間が取れるので、細かく自分のプレーを見ることができた」と自粛期間中にスキルアップに努めた。「緊張感もなく自分のリズムで入ることができた。日々の練習でつらいこと苦しいことを乗り越えてきたので、今ここに立てるんだなと感じた」と笑顔で振り返った。

「サークルに立った瞬間、多くのお客さんがいて、いろんな人に自分たちは支えられているんだなと感じた」とソフトボールができることに感謝した。決勝トーナメント進出に向け、10月末まで11試合を戦う。次節からは2連戦ずつの試合となり連投の可能性もある。「昨年は初戦を勝ってからその後、いい流れにならなかった。今年はしっかり戦いたい」。藤田は次戦も投打の中心としてチームを引っ張る。【松熊洋介】