男子は開志国際が3年連続の全国選手権(ウインター杯、12月23日開幕=東京)の出場を決めた。帝京長岡との決勝は84-53で圧倒。前日7日の準決勝は大学受験のため不在だったPF小野功稀(3年)が、チーム初得点を3点シュートで決めると、チームは快勝に突き進んだ。

PF小野の3点シュートが大勝への“スイッチ”になった。味方の放つシュートがことごとくリングに嫌われ続け、開始から約2分半を経過し無得点。そんな足踏み状態を188センチのPFが打開した。豪快なロングシュートを放り込むとチームが動きだした。以後は得点を重ね、ライバルに31点のリードでウインター杯切符をもぎ取った。5戦連続の100点ゲームこそならなかったが快勝だった。

「シュートは正直、期待できないからディフェンスで少しでも貢献できたら、と思っていた」と小野。というのも前日7日の準決勝は関東の大学を受験するため、コートに立っていなかった。6日の準々決勝を終えると母親が運転する車で移動。現地で1泊し、7日に小論文と面接の試験を受け、新潟に戻ったのは午後10時だった。7日は1度もボールに触れなかった。

ところが思惑通りにディフェンスで踏ん張ると、小野は攻撃のリズムも自然につかんだ。得点源のPGジョーンズ大翔(たいが=3年)の24得点に次ぐ、20得点を荒稼ぎ。「試験はあまり良くなかった」と話したがバスケットになれば、別。気持ちを切り替え速攻で走り、3点シュートも3本決めた。1年からベンチ入りする「ホープ」も、ウインター杯が3年生としては最初で最後の全国舞台。「ノーマークなら、3点シュートを全部、決められるようにしておきたい」と冬のテーマを決勝で見つけた。【涌井幹雄】