立命大のQB野沢研(3年)は悔し涙が止まらなかった。

1点リードの第4Q残り4分14秒、敵陣エンドゾーンまで4ヤードから投じたボールは無情にもインターセプトされた。チームはランを中心に試合を組み立てていたが、勝負どころで1年間練習したパスで突き放そうとした。秘策は裏目に出た。野沢は「完全に自爆。ゲームを壊してしまいました」と自分を責めた。

今大会初めての有観客。応援もあり独特の空気感にのまれた。野沢は「あの中で投げたことが全て。勝てる試合を落としたことが悔しい」。攻撃権を渡し、結果的にあの1プレーが残り3秒での悲劇的な結末の序章となった。目の前にあった5年ぶりの甲子園ボウルは、近いようで遠かった。

まだ現実を受け入れることができない試合後。RB立川玄明主将(4年)は「来年、笑って甲子園に行けよ。お前らなら大丈夫や」と思いを託した。古橋監督は「最後の最後のインターセプトが痛かったが、監督の責任」。悔しさを糧に、1年後、必ず雪辱する。【佐藤あすみ】